2013年12月27日金曜日

本日、仕事納め


本日は、大変お世話になった農家様へ挨拶回りをして、午後から圃場に戻り、ハウス周辺の整理整頓・鉄管整理です。剥がしたビニールが隣の土地まではみ出していたのですが、年末を機に整理完了です。粗大ゴミをひとまとめにすることで、見た目にもすっきりしました。午後からはあいにくのにわか雨でしたが、間に合いました。

圃場の入口の防草シートも、2重に張り替え(下はテントの幌です)、新年を迎える準備ができました。ぼくは無宗教ですし、圃場に神様が宿るかは分かりませんが、入口をきれいにしたり、ハウスの中をほうきで掃いたりと、なんかやってしまうんです。気持ちの問題でしょうか、それとも単に、出荷するものがないからでしょうか(笑)

なにはともあれ、無事に年末を迎える事ができそうです。「ひとりにわか農家」ですが、 事業が始まって5ヶ月、多少の緊張感はたしかに持ち合わせておりました。年明けからは、一点集中です。残された期間を有効に使うべく、「学ぶ」ことを軸に、一切脇目を振らず、突き進みます。

みなさま、来年もどうぞよろしくお願いします。

資材庫入口工事


資材庫入口のビニール張りが完了しました。これで、多少の風や雨の吹き込みは防ぐ事ができました。入口は横幅3.3m、高さ2mほどあるため、扉はかなり大型のものになるかと...2枚の観音開きにしようかと検討中です。でも、観音開きにすると、入口周辺が相当デッドスペースになってしまうため、取り外し式の方がいいのでしょうか。ちなみに、出口はスライド式の扉にします。

どっちみち、年明けの仕事になりますが、まずは一安心。サイドの腰巻きビニールも張ったことですし、安心して年が超せそうです。


相変わらず、資材庫に車を入れて、キャリアに荷物を積んだりとしていたのですが、いざ出ようとしたら、高さが足りなくて出られません。それもそのはず、車の高さ+20cmくらいの余裕を見て、入口の高さを決めたのでした...
「くっそぉーー!!!」とそのまま突っ込もうかと思ったのですが、荷物を降ろして、車を出して、また積み直しです。
たいへんお疲れさまでした。

2013年12月25日水曜日

苗床ヒーター



年内最後の指導は、苗床の整備です。
トマト播種前の超貴重な下準備を教えていただきました。

 整備1.
上の写真、黄色く見えているのは、電熱線です。「苗床ヒーター」という特殊な電熱線。これに電気を通すことにより電熱線周辺の土が加温され、苗床全体の温度を上げる事ができます。苗床の端から順に線をひきます。外側は密に、内側は薄く...2人以上で作業するときには、写真のように苗床の土を半分とり、電熱線を引き終わった後に上からかけると、早くきれいに作業ができるとの事です。


電熱線とサーモを通常のリード線でつなぎ(つなぎ目、防湿対策が重要)、ダイヤルを回して希望の設定温度に調整し、コンセントを差し込みます。緑色のランプが点灯すれば、通電OK。センサーを土に差し込みます。希望の温度以下になるとスイッチが起動し、加熱がはじまります。希望の温度に達すると電源は切れます。しかし、電熱線のどこかがショートしている可能性もあり、サーモを起動させた後、実際にセンサーの隣に水銀温度計を差し込み、早朝などにチェックする必要があります。早朝の時点で、水銀温度計が設定温度よりもはるかに低い数値を示していれば、電熱線やそのつなぎ目がアウトです。

 整備2.
さらに、苗床にトンネルを作り、ビニールをかぶせ、発生させた熱が逃げないようにする。

 整備3.
さらにさらに、ビニールハウスの内側をもう1枚のビニールで覆い、トンネルから逃げる熱を食い止める。


2重、3重に強化していく...ここから学んだ事は、ひとつの方法だけを完璧にしようとするのではなく、2重、3重に対策を講じて、リスクを最小限に食い止めるということです。薬散にしても、台風対策にしても、今まで教えていただいた内容はまさにこれかと...

えぇ、またひとつ見えたような気がしました。
貴重な研修をありがとうございます。年明けの播種が楽しみです。

2013年12月23日月曜日

ビニールハウス資材庫、入口工事開始


でーん!!
うちの資材庫には車が1台はいります。トラクターも入ります。軽トラックも入ります。今日は年末の追い込みにより、資材庫入口の骨組み工事。雨天時の苗や資材の搬入にはもってこいです。


天井も多少、余裕あります。2m強の高さがあり、長尺物の搬入も可能。


ハウスの内側から見ても、多少余裕があり、ドアの開閉にも問題ありません。直管同士の固定は、19mmのクランプがあると思うのですが、番線があったので、シノを使って固定。雨天時の雨の吹き込みも多少は防げます。問題は、扉をどうしようかというところです。2枚の観音開きにするには幅がありすぎる。換気キットを使って、巻き上げ式にしますかね...
観音開きにして上下の固定方法は、庭の門のようにしようかと検討してます。

2013年12月20日金曜日

はんまーないふもあ



つぃに見つけました!「ハンマーナイフモア」
おそろしい名前の通り、最強の草刈り機です。

http://youtu.be/cI46d9T5uPc

いつもユンボやトラクターをレンタルしている会社で、レンタルを行っている事が分かりました。隣のジャングル、これでやっつけたいのですが...先生、着手してもよろしいでしょうか!?「よし、隣も開墾!」という事が決まっても、まずは草刈り・耕耘・整地からです。そして夏の土壌消毒...今年の経験から、開墾には時間がかかることを学びました。やれることは冬のうちにやっておきたい...という気持もありますが、やはり「ハンマーナイフモア」に乗りたい!が先ですね。はぃ。

着工の許可をっ!

狭山農業祭にて!


天気に恵まれた、狭山農業祭、もうこの騒ぎです♪
押すなだの押しただろーだの、これ買うだの買わねーだの、もうてんてこまいです。


そして、倉庫の中では、野菜のコンクールがはじまっていましただ。


種のパッケージに載ってそうなとてもきれいな野菜です。ここまできれいに育てられるものなんですね...自分で作るようになって以来、スーパーに行くと、野菜の見方が少しだけ分かるようになってきた気がします。


 ハクサイって、下を削るとこんなにもきれいに見えるんですね。使ってるのは包丁?ナイフ?彫刻刀?(笑


 そうか!ブロッコリーも、茎を少し長めにのばせばスラっとみえるのか。


お尻がよく整ったホウレンソウ。寒いとき、ホウレンソウは地を這うようにのびると教えていただきました。


サトイモって、曲がってないんだ...きれいな俵型をしたものが本来あるべきサトイモの姿だと教えていただきました。

「おめぇ、やっぱり良いものを見ないと」
ええ、自分が作ったものは、ダイコンではなくて、ダイコンもどきの白い物体ですね(笑)「苗半作!」と言いつつその場にあったサトイモを、来年の種芋として衝動買いです。でもあとの半分は...?

交配について


今年度は4種類のダイコンを播種。
そのなかでもっともきれいに育った品種は、「耐病総太り」です。収穫中、40本に1本くらいは、直径5cmほどのとても細いものが見られました。病気?生理障害?

さっそく岡安先生へ...
「耐病総太りは、肉質はいいが揃いは少し劣る。耐病性があって太らない品種(AA)と、耐病性は劣るがよく太る品種(BB)を交配させたものであり、100%完璧に(AB)耐病総太りを出すには、5年から7年間の交配が必要になる。実際のところは、経営的な側面から、90%以上ABが出れば、3年を目安に売り出す。」とのこと。

納得です。
それぞれの立場で様々な事情があり、サイクルとして回っているのか、と感じました。次こそは100%完璧な種を直接仕入れたい!と思いました。

あ、その前に土作りと土壌消毒が先ですね、はぃ。。。
こんな言葉も教えてもらいました、農業は「苗半作」。

2013年12月19日木曜日

傲慢さ、そしてタイミングと言い訳

開墾から4ヶ月、作業的な事は一段落を迎え、これまで指導いただいた内容や日誌を見返し復習を行い、年明け以降の動きについて、イメージを膨らませています。


この4ヶ月で「農」に関するわずかな知識に触れる事はできました。それと同時に、「農」に対する己の「姿勢」を見つめなおしています。

【傲慢さ】
10月のある日、先生からの言葉が今でも忘れられません。どのような会話の流れであったかは忘れましたが、「おめぇは自分が素人だって認めねえもんなぁ(笑)」と。
この言葉にハッと気づかされました。自分では素人であることを認め、頑張ってきたつもりでしたが、どこかに、「農」や「自然」に対する謙虚さが欠けていたのでしょう。先生はわたしの行動の端々からそれを見抜き、冗談まじりに伝えてくれたのだと思います。

【タイミングと言い訳】
圃場研修の始まる前、「この1年間、余計な事考えないで額に汗すれば、自分の限界が分かると思うし、1年後に見えてくる事があると思うよ」と言われた事があります。

とても深い。なんとなく言葉では理解できるけど、深すぎてわかりません!先生!

でも、4ヶ月間時点で考える事は、「自分に言い訳しない」ということです。いつぞや映像関係の人にも言われた事があります。「お前、そうやって保身するなよ」って。「農」でいえば、やるべき事を、都合のいい言い訳を作って、後回しにしない。相手は自然です。どこでどう変わるかわかりません。後回しにしなくてよかった、と思う事は多々ありました。

ここで少し考えました。
「傲慢さ」と「言い訳」、この2つはつながってると思います。自分の中に傲慢さがあるから言い訳が出てくるんじゃないかと...他人に対する傲慢さ、アドバイスしてくれる人に対するプライド、自然に対する畏敬の念の欠如、作物に対する感謝...

「自分はこういう人間だから、これが苦手だから、自分の予定はこうだから」なんて言い訳は作物には通用しませんでした。薬散しなければ虫に食われる、排水対策をしなければ雨水に流される、すべてタイミングと決断が大事でした。決断って、なにか物事を「決めて」なにかを「断つ」ことでしょうか。今、状況としてこれをやらなければいけないと決めたら、つまらん自分のプライドを断って、言い訳しないでやることだと思います。

なんか宗教的な哲学的な話になってしまいましたが、物事を学ぶ上での基本姿勢だと思います。来年以降、うれしい事に作付け面積が増えます。でも、あたたかくなって病気や害虫がウヨウヨしだす時期。今まで以上に、言い訳厳禁・現実直視・感謝の姿勢・学ぶ姿勢を意識したいと思います。

イチゴ、濃度障害


9月から数種類の播種を行ってきましたが、濃度障害というものを初めて見ました。これは11月の段階で撮影したものです。葉の周辺が紫色(?)に変色しています。土中の肥料濃度が高いと教えていただきました。苗の定植までは、黒斑病を目にする事が多かったのですが、定植時に病葉を摘み取ったところ、黒斑病の症状はなくなりました。ほっとしたのもつかの間、葉が紫色に...

「あわてなくていいよ、果実ができなくなるわけではないから」の言葉に一安心です。イチゴの葉は、ほかの作物に比べて、肥料の濃度に関して敏感なのでしょうか?作物によっても、濃度障害の出方が違うのかと想像しています。はやくこの目で見てみたい...

2013年12月18日水曜日

山形「ガールズ農場」様、これぞ野焼き...


これぞ野焼き!という写真を見つけました。
最近わたしがちょこちょこ拝見させていただいてます、山形県の「ガールズ農場」のHPからお借りしました。


ほんとうの野焼きって、いっぺんにこんなに焼くのですね...
積み上げてない分、たしかに火の勢いはそれほどでもない?
背景は山形県の朝日連峰でしょうか、仙台に居た頃はよく、山形にツーリングに行ってました。

このガールズ農場、女性7名のみで農業をされています。遠くは九州から山形に来られた方もいらっしゃるという...隣県の出身者として、負けてらんねぇダ!と強く思いました。やっぱり、支えになるのは、「仲間」だと改めて思います。

苗床の整備と土嚢




自分が初めて土嚢を作ったのは15歳、忘れもしない古墳の発掘調査の時。5歳のときから、考古学が好き。土器が好き。発掘が好き。大学の先生に無理言って、発掘に参加していた。
今までほんとうに紆余曲折の生き方だったけど、自分がやりたいことは自分が一番分かっているのかもしれない。物心つき始めると、「自分のやりたい事が分からない」と、良く言うけど、ほんとうは小さいときから知っているのだと思う。それが成長するにつれて様々なことを学び得て、ほんとうにやりたいことが学び得たものによって隠され、だんだん見えなくなっていくのだと思う。ちょうど、蚕が、白い糸に包まれていくかのように。
「三つ子の魂百まで」ってこういうことを言うのかな。小さい頃の興味は、大人になってもずっとずっと続く。
「農」にたどり着くまで、ほんとうに回り道ばかりしてきたし、そのときは、気づかなかった点がやっと線としてつながってきた。今ここで、法人を通して、農業に関われる機会に恵まれたのも、点が線としてつながったからだと思う。


福島で発掘していたときの夕日もこんなだった。
沈む太陽を見ながら一日の仕事を終え、今日一日天気に恵まれた事に感謝し、皆で相乗りして銭湯に行く...夜は大皿を囲んで酒盛り大会。飯場さながらの生活。苦しいときは皆一緒。週の終わりには、意気揚々として仙台に帰る。そんな生活が好きだった。

高橋一樹の根本にあるのは、このあたりなのかな。

ハウスの雪対策について


気温がだいぶ下がってきました。

平野部でも5cmは積もるとのこと、農業を学び始めて初めての雪という事で、一日中雪対策です。雪の重みでハウスが潰れるのを防ぐため、ハウスの骨組み工事に使用した直パイプを適度な長さに切り、下にコンクリートブロックを敷きます。板や石などさまざま試しましたが、土の上では、コンクリートブロックが最適かと思います。下に防草シートが敷いてあるような地面では、板がよいかと思います。

つっぱり棒のような使い方で、30m強のハウスに10本使用です。


2013年12月17日火曜日

もーえろよ、もえろよ♪


10月某日、「土作り」という名の下、ついに火をつけたのです。
「もーえろよ、もえろよぉ♪ほのおよもーえーろぉ♪けむりをまきあげ、てんまでとどけ!」ん、「けむり」じゃなくて、「火の粉」?

やっつけた草が枯れ草になり、メラメラ燃えていく様子を見るのは、胸がすうぅーっとするものです(笑)ここから先、燃やしたものを肥料にすればどうすればいい?そこまでは学んでいません。水掛けて完全に鎮火。次の日にはこの5倍の草を焼き上げました。ガソリンとか火とか混合ガソリンとか、いまだに大好きです。


全責任は自分に...


ここ1ヶ月、とことん防草シートを張りまくりです。多少、シートの埋め方、張り方が分かってきました。ハウスの腰巻きとともに埋める方法、ハウスとハウスの間に張る方法...

春先の雑草対策に加え、ぬかるみ対策は完了です。10月のある日、ボンゴトラックがぬかるみにはまり、出られなくなりました。雨天時の圃場の土は、いくら掘っても砂利を撒いても重しをかけても、出られないものです。牽引が手っ取り早いと思います。

車を10台ほど駐車できるスペースができました。そう、駐車スペースと言えば、来年のゴールデンウィーク明け、収穫体験を含めた大収穫感謝祭を企画しております!

さて、明日明後日の所沢は、雨のち雪。
明日は朝からハウスの雪対策です。台風のときもそうでしたが、悪天候のときの圃場はとても気になります。秋の台風を通じて、「土地に責任を持つ」という事が少し分かってきたような気がします。


大林組の下で土方やってた頃は、職長含めみんながいるから大丈夫さ...という気持でしたが今は違う。自分ひとりだからこそ、甘えは許されません。全責任は自分にある。作物の出来不出来に、言い訳はできません。全て自分にかえってくる。高度な文明社会、これほどまでに結果が自分にかえってくる仕事はあるのか?と思います。「言い訳して自分の気持をごまかす暇があったら、動け!」と自分に言い聞かせ、日々精進です。

堆肥の年間施肥量について


先日、春先のトマト播種に向けて、ハウス内の土づくりを行いました。土壌消毒のフィルムをはがし、ガス抜きの耕耘、3日おいて、堆肥100kg(5袋)、苦土石灰20kg(1袋)、油かす30kgを散布し、また耕耘です。トータル150kg、さすがに「蒔いた」という感じがします。苦土石灰は粒状なので散布していて楽しい。堆肥は固まりです。手でモミモミしながら蒔きます。

油かすは長く効く有機質肥料、いくらあっても構わないとのこと。じゃぁ、堆肥はどのくらい入れるのが目安なのか。さっそく岡安先生へ...

「年間、10aあたり3tが限界かな。市場に流通しているものは肥料分が多いから1tが目安」1㎡あたり3kという計算になります。多く入れればいいという問題ではないようです。我々にわか農家は、肥料でも水でもいっぺんに「多く」与える事を好む生き物ですが、それは「たくさんやった!」という自己満足にすぎないのでしょう...
もう少し冷静にならねば...

ホウレンソウと石灰窒素の深い話


先日、今年のホウレンソウの収穫を全て終えましたが、疑問が残りました。
なぜ圃場に石灰窒素を入れたのか?

さっそく岡安先生に...

1.ホウレンソウは適正PHが他の作物よりも高く(〜7.0)、土のPHを標準値よりも1.0上げる必要がある。

そこでまずは苦土石灰(Mg・Ca)を使用、10aあたり100kg散布すると、PHは0.5ほど上がります。さらに0.5上げるためには、カルシウムを入れなくてはなりません。ここで苦土石灰を用いると、PHは上がりますが、苦土(酸化マグネシウム)が過剰になり、マグネシウム障害が予想されます。そのためには、消石灰(Caのみ)を10aあたり40kg散布する必要があります。PHのみを考えると、苦土石灰と消石灰の2種類を使用すれば事足ります。

2.ホウレンソウは窒素が足りないと葉の緑色が出にくい。

窒素分を好むため、8-8-8の有機化成肥料を大量に用いると、リン酸やカリウムを過剰に入れる事になります。窒素のみを入れたいときは硫酸アンモニウムを入れる必要があります。肥料を考えると、8-8-8の有機化成肥料と硫酸アンモニウムの2種類を使用すれば事足ります。

まとめると、
苦土石灰と8-8-8の有機化成肥料を、頻繁に使用する肥料と考えるなら、その他余分に消石灰(Ca)と硫酸アンモニウム(N)を準備する必要があります。その代わりに石灰窒素(Ca・N)を用いれば、肥料は1種類で事足ります。苦土石灰・8-8-8と併用する事により、Ca・Nを2倍に投入でき、濃度障害が出ないという事です。肥料代と散布の手間の節約につながるわけです。

えぇ、とても納得です...
物事、ここまで腑に落ちたのは、何年ぶりか(笑)
腑に落ちない事が多すぎる世界ばかり覗いていたせいでしょうか。

医療や歴史も奥深いですが、農学も負けずに深いものです。
植物体の細胞の話から、気候まで。まさに宇宙レベルの話ですね!

ハウスのビニール掛け


良く晴れた秋空のもと、11月28日、ついに天井のビニールが掛ける日が来ました。
小型ハウスは全長38m、大型のハウスは15m。ひとりやふたりで掛けられる長さではありません。それに風が出ていました。AM10:00 狭山より応援部隊が到着。お茶を飲みながら、打ち合わせをし、現場の下見です。応援部隊の中には、元大手ゼネコンの現場監督もおり、詰めのチェックの厳しさは一級品です。怒声が飛び交う中、経験豊かな異色のメンバーの助けにより、無事にビニールが掛かりました。



立派です。ハィ。
ささやかなお礼として、まだまだ使える資材を無償でお譲りさせていただきました。



応援部隊が来てくれるのはとてもうれしい事。モチベーションがあがるのが自分でも分かります。助けてくれる仲間が居る事、これはほんとうに大事です。

2013年12月16日月曜日

今年の直売、大変お世話になりました


本日、無事に年内の販売が終了しました。
主催者の方、同業者の方、販売場所を提供してくれた狭山の皆様、紹介していただいた岡安先生、そして購入してくださったお客様、体の具合が悪いときに手伝ってくれた家族、皆様に改めて心から感謝したいと思います。

開墾から4ヶ月、ここまで来れるとは思いもよりませんでした。規模は小さくても、開墾から販売まで一連の流れを経験することができ、充実した時間でありました。それも、周りに本気で農業に取り組む仲間がいたからこそ。ひとりで闘っていたら、モチベーションの限界がきたことでしょう。

いつぞや、NHKの番組でこんな言葉が紹介されていました。
「プロフェッショナルとは、いかなるときでも高いモチベーションを保ち続けられる人」
自分は、農業という世界において、託児所を出所した程度ではありますが、プロを目指すにあたり、高いモチベーションを保てるよう、常に意識しております。そのためには、自分がどのような仲間たちに囲まれているかが重要になるはずです。常に自分よりも上の人たちと接し、学び、引き上げてもらい、昨日よりも今日、今日よりも明日と、事を進めていく覚悟です。

そのためには、人間的な成長が最優先であると感じています。

皆様、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

深耕時、関東ローム層の影響について



先日、圃場の水道工事を行い、地下60cmの地点に塩ビ管を埋設したのですが、その際、ユンボを使用して掘削したため、土層断面を観察することができました。地下30cmの地点までは耕作土、それ以下は粘土層(関東ローム層)です。ここでふと考えました。「30cmいよりも深く耕耘した場合、粘土層が表面にあがってくる。そのときの作物への影響は?」さっそく岡安先生へ。

1.深耕により粘土層が上がってくるため、圃場の水はけが悪くなる。
2.肥料の濃度が薄くなる。
3.粘土層(関東ローム層)はリン酸(P)を吸着しやすいため、通常の土よりも2倍程度多く吸着する。したがってリン酸欠乏症が起こりやすくなり、深耕した場合は、通常よりも多くのリン酸を混和させる。

ここでさらに疑問が出てきました。
「では深耕するタイミングは?農家はいつ深耕するの?」

→ 作物に肥料を吸いすぎる症状(肥料の濃度障害)が表れたとき、深耕する。

これで納得。
今現在、耕作に使用している深さまでの肥料の濃度を見ながら、深耕するタイミングをつかむのですね。とにかく深耕すればいい作物ができると思っていましたが、大きな間違いでした。

トラクターによる深耕



9月某日、人生初のトラクターを乗り倒しました。
レンタル屋さんから圃場まで、おっかなびっくりに乗っています。この時点では、変速できていません。大きな通りから圃場前の細い通りに入ったとたん、やっと変速できました。アクセルベタ踏み。



おいおい、てめえの圃場を通り過ぎてどこに行くんだぃぃ...
それにしても、ギアがたくさんあるトラクターを乗りこなす農家の方は天才です。

農業は土方?


開墾何日目でしょうか、9月の上旬、久々にユンボに乗りました。目的はゴミ捨て穴の掘削。3tユンボを丸一日レンタルし、乗り回しました。縦横約3m、深さも3mほどです。このゴミ捨て穴、排水に役立ちました。

台風の多かったこの時期、排水対策を徹底して行いました。その結果、ゴミ捨て穴にほとんどの雨水が流れ込み、圃場が海にならずに済みました。下の動画は、台風前、雨上がりの圃場を撮影したものです。


掘っててよかった...
上京したばかりの頃、都心にて大林組の現場でアルバイトをしていた経験が生きました!ハィ。掘削だけでなく、草刈り(スギナ倒し?)にも使いましたが。ユンボのバケットはなんにでも使えます。
それにしても雨水はバカにできません。下手したら苗が水没します。

ダイコンの又根とホウ素欠乏症について



本日16日を持ちまして、年内の直売は全て完了しました!
皆様、事業初年度にも関わらず、まことにありがとうございました。秋作物としてのダイコンは、2回にわけて播種を行ったのですが、最初のダイコンは、又根に悩まされました。

間引きの際、大きくて元気の良い方を間引いたつもりでしたが、
又根の原因として、
1.根の先端が堆肥の固まりにぶつかった(作付けの直前の抄き込みは厳禁)
2.何十万分の一の確率で、根の先端が肥料の粒にぶつかった
3.根の先端からウィルス、菌が侵入した

が挙げられると教えていただきました。

2度目のダイコンは、又根がほとんどありません。トラクターで深耕したからでしょうか?そのかわり、成長したダイコンの首が細く、途中から太くなる、あるいは内部にスが入るという症状が出ました。

原因を聞くと、「ホウ素欠乏症」という生理障害であるとのこと。植物体の成長に必要な微量要素であるホウ素が欠乏し、そのような症状があらわれたとのこと、「ホウ素入り化成肥料」などで対処可能であるが、いかんせん土が痩せすぎているため、土作りに問題があるということでした。

播種の前に、仕上がりが決まってしまう...これ、ほんとうにそのとおりだと思います。

秋ジャガイモの播種


9月のある日...人生初の播種は、秋ジャガイモです。
種芋を芽の数が均等になるようカットし、切り口に草木灰を付けるか、丸一日おいて乾燥させます(キュアリング)。種芋の腐敗防止のためです。種芋を平坦な通路に、2ヒロの間隔で切り口を下にして並べます。次に、種芋の間に堆肥と速効性化成肥料を一握りずつ撒き、覆土します。



最後に、レーキでならして完了です。
一番怖いのは、雨水で種芋が腐ること。播種の数日後に大雨が振り、半分以上の種芋は水に浸かって腐り、消えました。防止策としては、少し高めの位置に播種を行うこと、雨天後の水引の様子を注意深く観察すること、と教えていただきました。
このあと、「にわか農家」のわたしは、「芽かき」と称して出てきた芽を次々に摘み取り、最終的には1本にしてしまいました。

その結果どうなったか?
直径15センチ以上の手榴弾がわんさかとれましたよ。売り切りましたがね。
「にわか農家は何をしでかすか分からん...」


「天高く肥ゆるスギナ」 ビニールハウスの修理


露地の開墾もさることながら、我らの圃場にはビニールハウスが2棟あり、いずれも台風の被害により天井のビニールは破れ、そこからスギナや茎の太い雑草が天高く生い茂っておりました。一足踏み入れば、ヤブ蚊の宝庫。作業着の上からでも襲ってきます。灯油をかけて燃やそうかと何度思ったことか。修行僧に近いものでありました。刈って集めて翌日に運ぶ...この繰り返し。ハウスの長さは30メートルあり、気の遠くなるような夏でした。「絶対にハウスを復活させる」これが全ての原点でした。


それが今ではこんなにもきれいになりました。骨組みの修正に始まり、ビニール掛け、扉の工事などを経て、立派な育苗所へと復活。来年の春には育苗所として、トマトやナス、キュウリの苗を運び入れます。もうスギナは嫌です、えぇ。


2013年12月15日日曜日

「農業の巨匠」岡安 正 先生

我らが師匠、岡安正(オカヤス タダシ)先生を紹介します。



今年8月より、指導を受けている栽培のプロフェッショナルです。
行政を退職された後、全国各地を飛び回り、栽培技術と普及に関する指導をされています。そんな折、我々「にわか農家」の指導を快く引き受けてくださいました。

わたくしども、農業に関して、ずぶの素人。
「おぃ、レーキをもってこい」と言われても、「レーキってなんすか?」と言葉を返す始末。「お前らレーキも知らんのか...」、さぞかし飽きれていたことと思います。そんな岡安先生、鍬とレーキの使い方が半端ありません。恐ろしく速い、そしてきれい。畝立ての実習では追いつくのがやっとでした。経験値に頭が上がりません。

とにかく、毎日が実践の連続です。肥料?栽培方法?そんな座学は一切なし。先生曰く、「まずは体力テスト!」。翌週の研修までに、少しでも進んでいる状態を見せたい!と草刈り機と共に過ごした暑い夏を忘れることはないでしょう。

荒れ地の開墾


開墾前の圃場の写真が、1枚だけ残っていました。
4ヶ月前、荒れ地の開墾からプロジェクトは始まりました。畑らしき姿はあるのですが、耕作放棄地と変わりません。必要なのはビーバー(草刈り機)、ガソリン、水。上半身裸、下はハーフパンツ、サンダルという「海の家」に居そうな格好で草を刈りまくりました。

そして圃場研修の初日、人手不足のため岡安先生にまで草(耕耘前の根)を刈っていただきました。ビーバーの正しい使い方を知らず、飛び跳ね防止のカバーを外して振り回していた様子を見たときの、岡安先生のお顔は今でも忘れられません。それから秋作物の播種を行いながら、次々と開墾を続け、畑らしき跡地には全てきれいな土が見えるようになりました。


こちらが、圃場の半分ほどの面積をやっつけたときの写真です。右奥のハウスからはスギナが天井を突き破り、ジャングルと化しています。開墾はまだまだ続きます。写真を撮ることも忘れ、ビーバーを振り回していた頃を思い出します。多少、草刈りについては自信がつきました。


直売も残り2回...



おかげさまで今年の直売も残り2回となりました。思えば4ヶ月前、荒地の開墾から始まったこのプロジェクト、開墾初年度に6万円強の売り上げを出せたのも、よき指導者に巡り会えたおかげです...栽培の指導、販路の紹介、戦力の確保など、すべての面において引き上げていただきました。

人生、夢に近づくタイミングは必ず来るものだと確信しています。