2014年10月30日木曜日

コマツナ;徒長!!筋蒔きの限界へ。


コマツナが徒長しました...茎は細く、葉も小さい。95cm幅のベッドで、6条筋蒔き・株間3cmは欲張りすぎたようです。真ん中の2条が早く大きくなり、外側の伸びは悪い。大きさが極端です。やっぱり、95cmベッドなら、4条か5条が限界のようです。


こちらが、その比較。同じ種類でも、右側は4条蒔き・株間5cmの方で、左は欲張った方です。茎の太さ、葉の大きさなど、一目で違います。株間は夏場5cm、冬場は3cmというけど、大きさを揃えるなら、5cmくらいの余裕は必要かと思います(^^)4条や6条のマルチシートの真ん中が少し幅広いのは、真ん中の通気をよくするため。欲張っちゃあ、ダメよぉ〜♪ ダメダメ!

2014年10月26日日曜日

コカブ;収穫前に寒冷紗を外す


コカブでも、小松菜でも、露地で栽培している作物は、収穫の最低1週間前には、寒冷紗を外し、作物を外気にあてます。これ、なんでだべ???収穫前日や2日前に開けたのでは、収穫直後にすぐにクタッとしてしまいます。感覚的には、作物を外気にあててシャキッとさせるべ!ということなんですが、理屈としてはどういうことなのか。インターネットのどこにも載っていませんだ。先日、岡安先生から、【ABA】【気孔の開閉】【サイトカイニン】【オーキシン】【水孔】...などのキーワードを教えていただき、やっとわかりました。

「平成24年度 愛媛大学農学部地域環境工学コース 地域環境水文学研究室」にとてもわかりやすい説明が書かれていたので、 17ページから転用します。(http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~eng-hydro/2012hydro2-1.pdf

「空気が乾燥すると、気孔からの蒸散が上昇する傾向となり、植物は体内水分を多く失うことになります。これに対して、根からの吸水によって体内水分を保持しようとするが、この水分補給が蒸散速度に追いつかなくなると、気孔を閉じて体内に水分を閉じ込めます。土壌水分が乾燥によって低下しても気孔が閉じる。このとき、気孔を閉じさせる指令の役割をするのが、【ABA(アブシジン酸)】であり、植物の根で作られ、植物体内を蒸散流によって葉に到達する。また、体内水分が減少すると孔辺細胞かの膨圧が低下するため、気孔が閉じる反応をする」

これを寒冷紗外しの儀式に当てはめると・・・
寒冷紗を外すことにより、植物体をとりまく気温・湿度・植物体の温度などの環境は大きく変化し、それまでの環境に比べ過酷なものとなります。当然、湿度は乾燥傾向となり、蒸散が活発に行われ、根からの吸水は追いつきません。すると、気孔を閉じて水分を閉じ込めようとするため、根では、気孔を閉じさせる指令を出す【ABA】の生産が活発になり、ABAの量が増え、気孔の開閉を素早く行えるようになります。この期間が最低3日から1週間。1週間後に収穫すると、根からの吸水が止まり、植物体内の水分が低下し始めます。ABAの働きによって孔辺細胞が刺激され、気孔が閉じ、水分の蒸発を止めます。これによって、収穫後すぐにクタッとせず、鮮度を保つことができます(^^)

普段、なんとなくやっている寒冷紗外し、こんなにも深い内容だったとは。サイトカイニンという植物ホルモンの一種であるこのABA、まだまだ分からないことが多い分野であり、どういう条件の時にABAが増えるか、など様々な研究が行われているようです。

2014年10月18日土曜日

コカブ;ハウス栽培開始!


旧育苗所にも活気が戻ってきました。土壌消毒も終わり、秋のコカブ栽培の始まりです。前作は、キュウリとピーマン、メロンを研修作物として栽培していました。ガス抜き後のEC値は550mS/cmから660mS/cmを示しており、成分で10kg程度の肥料が残っていることになります。施肥量を2割増しにする予定でしたが、肥料の残りを考慮し、テキスト通り「12-17.5-10.5」でいきます。

今年はなんだか寒くなるのがとても早い気がする。秋がなくて一気に冬が来た感じ。去年はまだハウスが完成しておらず、ハウス内での栽培はできませんでした。 今年は6条蒔きに挑戦します。条数が多いので真ん中の列まで、むらなく成長してくれれば良いのですが。もちろん、通路は管理&雪対策のために開けておきます(^^)


そしてこちらは、軽トラックCARRYに乗り換えた記念写真です♪久しぶりのマニュアル車に心ときめいています。【所沢480 く71-33】このナンバーに要注意!(笑)車内でニタニタしてクマのぬいぐるみと一緒に暴れてる人がいても、通報しないでくださいね(^^)それにしてもこの人、また痩せた...?

パイプハウス;台風対策について

大型の台風も過ぎ去り、日に日に秋が深まっていくのが感じられます(^^)ゆうきファームは最小限の被害で食い止める事が出来ました。去年の大雪以来、自然災害に対するパイプハウスの補強策を常に考え、その都度、自腹を切ったり、なけなしの資金のなかで実行に移してきました。この大型台風を乗り切った事に寄り、補強策について自分の中である程度系統的に整理できました。去年の研修以来、岡安先生から習った知識と掛け合わせ、ゆうきファームのハウス写真とともに列記したいと思います。

掲載されている図面は、全て鳥取県農業気象協議会・鳥取県農林総合研究所「強風に対するパイプハウスの被害対策技術」(2013)(http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/5725f7416e09e6da492573cb001f7512/5d20d99f2c07d7f149257b43001b4be3/$FILE/4.pdf)からの転載です。

ここでいうパイプハウスとは、パイプの径が19.1mm、22.2mmであり、ハウスの間口が2間、2.5間、3間の場合に限ります。素人が建てることのできるハウスの大きさだと思います。対策は、大きく分けて【風対策】【大雨対策】【雪対策】に分類できますが、そのほとんどが風対策になると思われます。順に紹介します。


1.天井ビニールの浮き上がり防止 


天井ビニールが風であおられないよう、防虫ネットを使用してハウスの最下部(腰巻きの上部)から反対側の最下部(腰巻きの上部)までをきつく固定します。15mのハウスで5カ所程度。このとき、サイドビニールは全開の状態にします。サイドビニールを閉じた状態で固定すると、補強が終わったあとにサイドビニールが上がらなくなります。


2.ドミノ状の倒壊の防止 


こちらも風対策。ハウスの妻面にかかる風の力(入口や出口を押し倒そうとする長辺方向の力)に対し、妻面と曲パイプを固定する事により、下の図のようなハウスの倒壊(ドミノ状態)を防ぎます。
この補強は、ハウスの骨組みが完成した時点(一切のビニールを展張する前)で、即、直管を手曲げして入れます。先端は、地中に深く差し込み、妻面にかかる力を地面に逃がしてやります。報告書などでは、「筋交い」と表現される補強策です。


3.横倒しの防止 


その一方で、こちらは横風への対策「クロス」です。片方の曲パイプの上部から、もう片方の曲パイプの肩に向かって直管を通し、交差する部分をクランプやボルトで固定します。横からの強風で倒壊するのを防ぎます。

特に豪雪地帯では、横風による雪の吹きだまりが倒壊の原因になる事が多く、重視されている対策のようです。この「クロス」 は、ハウスを上から押しつぶそうとする天井からの力(雪)に対しても効力があるため、どことどこをクロスさせれば補強が有効になるのか、正直迷います。本数としては、ゆうきファームでは15mのハウスで7本使用しています。


4.入口出口の破壊の防止 


こちら、とても原始的な方法で、どの報告書にも載っていませんが(笑)、入口・出口につっかい棒をして、地面との間に板をかませ、妻面が破壊されるのを防ぎます。入口出口が破壊されると、正直、気力が失せます(^^)特に、南北方向に長いハウスは、台風の南風と北風に要注意です。入口出口、それぞれ4本は必要です。この対策により、2の「筋交い」がより有効なものになります。


5.浮き上がりの防止(1) 


ゆうきファームのように、地形的な問題からパイプをほとんど地中に挿すことが出来ない場合、強風がハウスの中に侵入すると、ハウスが内側から持ち上げられ、そのまま「空飛ぶハウス」になってしまう恐れがあります(^^;)そんなとき、1m程度の直管をハウスの内側から曲パイプにクランプで固定し、なるべく深く地中に打ち込みます。使用する直管は多ければ多いほど強化されます。入口出口側も、それぞれ4本程度補強します。


6.浮き上がりの防止(2) 



こちらは、上の対策のだめ押しになります。内側からの杭だけでは、浮き上がりに対して十分でないと判断したとき、外からマイカー線で固定する方法です。ハウスから15cm〜20cm程度離れたところに、らせん杭(スクリュー杭)をハウスの両側それぞれ7本から10本程度ねじ込み、杭の上端の穴に直管を通し、天井をつたってマイカー線で固定します。使用する直管は太ければ太いほど(足場用の単管など)、マイカー線の引きによるたわみが少なくなります。15mのハウスで、15本ほどマイカー線を引っ張っています。ゆうきファームでは、3棟全てのハウスにこれを施したので、ビバホームのらせん杭が42本 全部なくなりました(^^)


7.雨対策 

正直、ハウス周りに溝を掘り、天井から落ちる雨を溝に誘導するしかないと思います。でも、これをやると溝内に雨が溜まり、溝が浅い場合は最悪、地中への浸透が間に合わずにあふれる可能性があるので、あらかじめ溝に汚泥ポンプを突っ込み、発電機とつないで、いつでもエンジンをかけてゴミ穴へ排水できるようにする必要があると思います。ゆうきファームでは、前々回の台風18号において深さ30cmの溝から雨水があふれ、至急排水を行いました。でも、通常のホースなんかをつないでいたため、とても排水が間に合いませんでした。高圧の汚泥ポンプと、直径5cmくらいの耐圧ホースが必要になると思われます。正直、溝を掘るのはある種の賭けです。ハウスを高台に建て、雨水を自然に浸透できるのならば、そのほうが良いかと思います。雪の場合はまた別ですが...


8.雪対策 

最後はこれに尽きるでしょう。後にも先にも、こんな写真は1回で十分です。

 資材庫、倒壊。
 育苗所、倒壊。

トマトハウス、倒壊。
今年はもう潰しません。頭の中にはあります。あとは実行に移すだけです。

この劇的なハウス倒壊以来、いろいろと補強対策を考え、実行してきましたが、これで完璧という対策はないと思います。ハウス全体を覆うシェルターがあれば別ですが、そういうわけにはいきません。自然災害が来ると分かった時点、あるいは予測できる時点で考えられる被害のリスクをひとつずつ丁寧に、そして完璧に潰すことが大事なんだと思います。自然災害が通り過ぎるまで、どこか心の中で、「次はどこがやられるか?自分だったらどこを狙うか」と問いかけ、常に緊張の糸を張っておく事が大事なんだと思います。

それにしても、たかだか2間や2.5間のハウスに、こんなにも手間ひまかけていいのか??とふっと考える事があります 笑 でも、潰すよりはマシですから...

2014年10月7日火曜日

所沢市議会議員:松本先生来場!


「ひとり農業 所沢物語」をはじめて早10ヶ月。投稿記事数も、150記事となりました。去年の開墾や雪害の際には、たくさんの記事を書く事が出来ました。栽培作物がコカブとコマツナに絞られてからは、栽培に関する細かな由無し言を記事にすることの方が多くなってきたような気がします。そう、今年の2月には中国地方の方から「ものすごい参考になりました!ありがとうございます!」とメッセージを頂きました。どの記事をご覧になったのでしょうか。どこかで誰かが見てくれていると思うと、それはそれは、とてもうれしいことであります(^^)

それはそうと、本日、所沢市議会議員の松本あきのぶ先生(http://smile-matsumoto.net/)が圃場においでになりました(^^)台風の前日に寒冷紗を張っていたところ、「頑張ってるかね!」と道路から声をかけていただいたことが、今回の面会へとつながりました。松本先生とは、以前に数回、メールのやり取りをさせて頂いておりましたが、自転車に乗った松本先生が圃場の前を通られるとは思ってもいませんでした。その後、改めて時間を作ると約束していただき、今日の面会が実現したのであります。

松本先生は、その主要施策に【農業の振興「地産地消」の具体化】を据えられており、農業における「出口」の問題を重視されています。また、「ニュースレター9号(http://goope.jp/goope/7551/130729142215jrnn.pdf)」では、市長提出議案として、わたしが現在の法人で農業を担当するきっかけとなった事業、「農業参入法人体質強化モデル事業(障害者による水耕栽培) 950 万円」を取り上げていただいています。本事業の、理想と現実のギャップをよく理解されており、現場の声に共感していただきました。また、トラクターなどの農機具の調達や土地の賃貸等に関し、尽力いただけるとの事、感謝です(^^)

2014年10月2日木曜日

コカブ;なぜ早朝の収穫か


ん、それっぽくなってきました 笑(^^)収穫1週間前に寒冷紗を外したときの光景が、農家の光景と似ている。蒲鉾型にコカブの葉が盛り上がっている風景。たまりません♪ そのうち、寒冷紗を外すベッド数が、3、4と増えていけばいいな...今のところ、1日あたりの出荷束数は15〜20束が限度。冬に向かうにつれて生育が遅くなり、圃場がトンネルでいっぱいになってしまうことでしょう。

毎朝、圃場に向かう道すがら、プロの農家さんがコカブを大量に収穫しているのを目にします。AM5:30で軽トラックがほぼ 満載です。何時から仕事しているのでしょうか...??いろいろ調べると、カブ農家はとびきり早起きのようです。理由はただひとつ、コカブの水分量がMaxに至るのは、早朝。これを逃すと、水分がぎっしり詰まったコカブは収穫できないようです。確かにそうです。8:00、9:00と時間が経つにつれて、コカブの表面は柔らかくなり、炎天下のもとでは茎や葉がしおれるのはもちろん、実の表面がブヨブヨする手前までへたってしまいます。今はまだ洗浄機械もなく、一株一株の手洗いですが、きたる大量栽培・大量出荷に向けて、生活サイクルを整えておかねばと思うんです(^^)いつ来るかわからないチャンスの波に備えて、自分のキャパを広げておく!これが、最近心がけている事です。

いつもごらんいただき、ありがとうございます。